戸田建設が開発・導入している先進技術をご紹介します。
建築学会大会 2022
CO2濃度の時空間分布の計測と予測システム
本研究では、新型コロナウイルス対策を背景に、室内CO₂濃度の「時空間分布」を取得・予測するシステムを開発しました。自律走行ロボットと固定センサを組み合わせ、クラウド上で統合・表示する仕組みにより、センサ設置の制約で生じる「計測の空白地帯」を補完します。戸田建設本社での実証では、垂直・水平方向で濃度分布が異なることや、時間的な変動があることを確認し、ロボット搭載センサが固定センサと同等の精度を持つことを示しました。さらに、過去データを活用した予測実験では、数分先のCO₂濃度を高精度に予測できることを実証しました。本成果は、感染症リスク評価や快適性管理に資する次世代の室内環境モニタリングの基盤となります
本研究では、オフィスビル内のCO₂濃度をより正確に把握し、従業員や来訪者の行動喚起につなげる「ビル内移動環境計測・通知システム」を開発しました。自律走行ロボットと固定型センサを組み合わせ、センサ設置が難しい「計測の空白地帯」を補完しつつ、クラウド上で情報を統合・可視化します。ロボットはCO₂濃度の高いエリアに急行して再計測し、必要に応じてディスプレイや音声で「換気してください」と通知する機能を備えています。実証により、張り紙やWEB通知に比べ、ロボットによる直接的な通知が効果的に行動を促すことを確認しました。今後は人の所在検知や機械学習を用いた三密判定、双方向コミュニケーション機能、測定項目拡張などへの発展を目指しています
共同登録特許 特許7465511
自走式ロボット
本特許は、自走式ロボットに関するものです。ロボットに搭載したセンサを昇降機構で上下させることで、高さ方向を含めた立体的な環境計測を可能にしています。最下位置でセンサの基準位置を設定し、ロータリーエンコーダなどで高さ情報を正確に取得する仕組みを備えています。これにより、CO₂濃度や温湿度などを3Dマップ化して可視化し、従来の平面的な計測では不十分だった「計測の空白地帯」を解消できる点が特徴です
Journal of Engineering for Sustainable Buildings and Cities 2025/2月号
Development of Indoor CO2 Monitoring System with an Integrated Fixed Sensor and a Mobile Measuring Robot
本研究では、オフィス環境の室内環境質(IEQ)向上を目的として、固定センサと移動計測ロボットを統合した新たなCO₂モニタリングシステムを開発しました。本システムは、人検知に基づくオンデマンド計測や機械学習による予測分析を組み込み、計測の精度と効率を高めています。実際のオフィスにおける実証実験では、従来のセンサ配置で生じる「計測の空白地帯」の把握、ロボットと固定センサの計測値の整合性確認、CO₂濃度の変化予測精度の検証などを行い、ロボットによる効率的な計測と音声通知による居住者への改善行動促しの有効性を確認しました。本成果は、建物の自動制御システムを持たない環境においても、効率的で柔軟なIEQ改善を可能にする包括的なソリューションとなります
本研究では、オフィスにおけるCO₂濃度監視と行動喚起を目的に、固定型センサと自律走行ロボット搭載センサを連携させた新しいシステムを開発しました。固定センサで高濃度が検知された場合、ロボットが当該エリアへ移動し詳細計測を行い、必要に応じて音声通知で換気を促す仕組みを備えています。戸田建設本社での実験により、センサ設置場所による濃度差から「計測の空白地帯」が存在すること、ロボット搭載センサが固定センサと同等の精度を持つこと、そしてロボットが居住者に対して有効に注意喚起できることを確認しました。本成果は、感染症リスク低減や快適な室内環境維持に資する行動支援型の環境管理システムとしての可能性を示しています
本研究では、オフィス内カフェテリアから会議室へのドリンク配送を対象に、荷台分離型自律走行ロボットと画像認識システムを組み合わせた新しい配膳システムを開発しました。提案システムは、少数のロボットで効率的に配膳を行うとともに、受取・返却の自動検知や不正取得時の音声警告、配送状況のモニタリング機能を備えています。戸田建設本社ビルでの実験により、受取・返却判定や不正検知、映像配信が有効に機能することを確認しました。本成果は、安全性と効率性を両立したオフィス環境向けサービスロボットの実用化に向けた基盤となるものです
本研究では、オフィス内カフェにおける配下膳業務にサービスロボットを導入し、その効果を実運用環境で定量的に評価しました。数か月にわたる運用ログの分析により、ロボットの活用によって配膳で約107時間、下膳で約45時間の作業時間が削減され、従業員が調理や接客などの付加価値業務に集中できることが示されました。さらに、姿勢解析による身体的負荷評価では、ロボット導入が従業員の長期的な負担軽減に寄与することが確認されました。本成果は、サービス業におけるロボット活用が業務効率化のみならず、職場の働きやすさ向上にもつながることを示しています。
本特許は、建物内の空気環境を高精度に計測・管理する「空気環境計測システム」に関するものです。固定型センサと自律走行ロボット搭載センサを組み合わせることで、従来のセンサ設置制約による「計測の空白地帯」を補完します。さらに、固定センサで高濃度CO₂が検知された場合、ロボットが現場へ移動して再計測を行い、必要に応じてディスプレイ表示や音声で換気を促す機能を備えています。また、機械学習を用いた時系列データ解析により、CO₂濃度の時間的変動を予測し、感染リスクの高まりを事前に把握することも可能です。これにより、ビル管理者にはクラウドを通じて正確な環境情報を提供し、居住者には行動を促す通知を直接届けることで、快適性維持と感染症リスク低減に寄与します。
本研究では、オフィスにおける室内環境質(IEQ)の向上を目的に、固定センサと移動計測ロボットを連携させた効率的な運用方法を検討しました。固定センサからのデマンド情報に基づきロボットが必要な地点に移動し、人検知機能を活用して計測時間を調整する仕組みを導入しています。戸田建設本社フロアを対象に行ったシミュレーションでは、巡回経路や人検知の有無に応じて計測効率が変動することを確認しました。その結果、移動計測ロボットの運用効率化が計測の空白地帯を減らし、局所的なIEQの精緻な制御に有効であることを示しました